テレビ企画

さてさて、テレビというものと、広告というものの存在の掛け算は、実はそれだけでも大変興味深いものです。これは、何も「広告」というのを「コミュニケーション」というような、ソーシャルだとかインタラクティブだとか、近現代風に置き換えるまでもない考えかたで、単純に「放送する側、される側」と、「放送された側の宣伝効果」くらいの意味合いです。

簡単な話として、番組出演者にはギャラが支払われますよね?でもその出演者は、出演することで、自分の宣伝ができるから、むしろ逆に、テレビ局にアリガトウと言ってマージンでも払いたくなるようなケースもありますよね。

割と今でも、こういうのの厳密な話は、管理できないでいます。そうするとおもしろい番組がつくれなくなるからなのか。それとも管理・構築するだけの技術・ノウハウを蓄積してこなかったツケなのか。それはわかりません。

もうひとつ例えば、僕はアメフトが好きです。もしも僕が芸能人で、トーク番組とかに呼ばれて、アメフトの話をしたら、「全国アメフト推進協会」からなんぼかお金欲しいわって話です。

でも・・・この例はさすがに違和感ありまくりですよね。なんかね。

でもでも、TVCMの場合では、「人気俳優の○○さんがかわいい振付を披露する新CMが発表!」みたいな感じで、芸能ニュースなんかにもしも捕りあげられたら、何分何秒放送の「尺」をとれたか、っていうのを計測して、それも「CMの効果」の一部として大事にカウントされたりするんです。

僕はこういうの、嫌だなぁ、なんだかなぁ、って思ってたんです。というか、今でも思ってます。

でもこういう価値観というか、ものの見方って、今でも残っているんですよね。たぶん。

インタラクティブな企画の事例紹介の際の指標として、「公開からわずか○日で○アクセス」みたいな。これも結局、根本的には同じような考え方ですよね。WEB上での数字は、それ以前の「検索連動、成果課金制」ブームの名残が、業界人の頭に残ったまま進行していったから、テレビでの話よりも、多少信頼度も期待度も高めですが、結局は根っからのマーケティング活動だと思うんです。算数なんです。

でもまぁ事実、能動的に視聴者が訪れた数というデータは、マーケティング上わかりやすいという価値もあります。そういう点でも、確かにテレビとの勝負には勝っています。

本当はもちろん、テレビのエンタメニュースとかだって、きちんと分析をかければ信頼のおけるデータでもあるのですが、WEBよりもひと手間かかるし、母体である媒体の質がまるっきり違います。24時間しかないテレビは、本当はもっともっと、WEBよりももっと、そこらへんキチンと頭で考えて設定していかなあかんのです。


本音をいうと、まだどっちにシフトするのが正解なのかいまいち自信がありません。

お願いランキング! の番組外収入よろしく、割り切って、お金をせこせこ稼いでいくのか。

新興企業があくせくプレスリリースを拾ってもらうように努力するような形態を維持するのか。

ずいぶん大雑把な話ですけど、後者の場合だと、結局「テレビ局」というものが自分たちでブランドづくりをしていく形に納まっていくから、つまりネット世界で存在する「これまでのテレビ(マスメディア)」的な意味合いが完全に果たせなくなります。要は、テレビが「単なるテレビ番組が見れる箱」というものになってしまいます。・・・でもまぁ、それはある意味道理にかなっているのかなと。テレビというモデルが、世論を形成する時代でもないのは、徐々に意識に浸透してくるころですしね。


前者の方向で行く場合は、、なんというか、多少寿命が延びるような気がしますね。「今のままのテレビ」というものの寿命が。今のままの、圧倒的なマスへの到達力を駆使した集金体制をとるわけですから。
でもこれは、少なくともテレビという「家電」の需要がそもそもなくなってしまうという前提的な問題にまったく対処ができません。5年後、10年後の「パソコン」というものがどういう形になるのか、3Dテレビやらなにやら、僕には検討もつきません。


「テレビ」を選ぶか「パソコン」を選ぶか、今までの時代ならそういう「選択」というものが存在しました。生まれおちた時の周りの環境ですね。そこにテレビが根強く残っていれば、あとは惰性でテレビはなくさないっていう生き方の人が多数というのが現実ですし。

でもこういう選択がなくなって、完全に生まれたときからネット環境があるというのが、たぶん僕より3つくらい下の世代からなんじゃないですかね。1993年生まれくらいから??
それでもまぁ、家庭にはテレビがあって、赤ちゃんにはピタゴラスイッチ見せて、子供はテレビアニメに夢中になって。そういう背景がまだぎりぎりありますよね。
子供に「見せる」もの、という存在の役割までを、パソコン(というかネット上というかなんというか)が担うようになってしまえば、ますますテレビの消滅は加速するんじゃないでしょうか。



ええ、ええ。なんの脈絡もなく問題提起がおき、何の解決も残さないままなんとなーく終わるのが僕の記事ですとも。