漫画「バクマン。」という話。

ちょっと漫画のご紹介。週刊少年ジャンプで連載中の「バクマン。」です。
僕がこの漫画を初めて読んだのは確か10カ月くらい前、本当にたまたまいつもは買わないジャンプを買って読んで、そこでの一話だけから存在を知って面白いと思いました。それからしばらくして、マン喫に行ったときに1〜5巻までまとめ読みしました。今では全巻買って読んでいます。

それくらい、読んだらはまってしまうくらい面白い漫画だということなんですが、確か当時の僕は「漫画業界のことを書いた漫画」という面でも興味をもっていた気がします。恥ずかしながら、ああいう系の漫画って呼んだ経験もなくて新鮮だったんです。作品としてよりも企画としてって意味で。調べるうちにそういうのは過去にもいくつか名作があるらしいとは知りました。

「漫画業界の漫画」ということ。そこから、ジャンプ全体の購買につながるプロモーションを考えようぜって、漫画好きなやつがいたんで話かけたこともありました。結局、断られましたが。確か漫画個別のHPって相当な人気漫画でも結構適当だなぁって考えからサイトつくろうぜみたいな・・・そんなことを考えたような気がします。そこで集英社さんの現場とかコラムとか載せたら面白いじゃんみたいな。

ジャンプと言えば最近では週1で「サキよみジャンBANG」という番組を持っていますね。テレビ東京系列で毎週金曜18:00からの30分番組。

http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-cd60.html

こちらは関連して面白かった記事です。

こちらの記事では、「原作ネームという形は昔はタブーだった」というような記述がありました。最近になって原作ネームという可能性が発掘されてきたと。CM業界はどうなんでしょう。宣伝会議でCM監督さん(ディレクター)の人の話をして、こないだ東北新社中島信也さんという先生にも特にそのあたりについて質問する機会がありました。

・どういう企画が「やりがいがある、腕が鳴る」のですか?
・全体の雰囲気の得意不得意は?
・どこまでが監督の個性?
・現場でのコピーライター(ここでは企画コンテ書いた人)のスタンスは?

通常CMでは、漫画でいう原作にあたる企画コンテができた後に、監督さんを決め、その監督さんが演出コンテを作り、それにそって撮影するようです。「現場」というからには結構な戦場らしく、体育会系なのかも。

もちろんスタンス的なものは、人にもよるし、案件にもよる、という言葉に尽きるのですが、ひとつ言えることはよい原作(CMでいうところの絵コンテ・企画コンテ)でないとよいものはつくれないということでしょうか。

バクマンの単行本版には、おまけとして実際にバクマンを描く際につかわれた「原作さんが書いたネーム」と「作画さんが描いたネーム」とを比較的に掲載してあります。これもとても見ていて面白いです。
一見して結構変わっている(原作のひとのを見て作画さんが清書)ようでもあり、それでも細かいコマまで数えたら、色々と原作さんに忠実なほうが多いかもしれません。会話キャラの右左や前後の立ち位置なんかは、原作さんはあえて細かく書く必要がないって印象。反対に感情が大事な場面ではそういうのちゃんと主張していて、作画さんも尊重している印象。会話とコマがとにかく多い漫画なので動作も少なめになりますしね。


CM制作でも、このアイデアはこのカメラワークだから面白いんだ!とかコピーライターはあると思います。大事なのは現場レベルできちんと意見交換ができることでしょうね。

でも漫画って不思議ですね。構図とかちょっと変えるだけで読者が受ける印象が変わります。例えば怒っているひとにちょっと汗を一筆書きで書き加えるだけで、怒っているのか焦っているのか、場面の空気も変わる時があります。

・・・まぁ表現ってのはおもしろいもんですね。お粗末さまでした。